念願の婚約破棄された悪役令嬢は、なぜか廃嫡寸前の変人王子に執着される
それだけ言い、私をコーデリック王子に紹介すらせずに先輩侍女は去っていった。

「ええっと……」

ドアの前で途方に暮れて立ち尽くす。

……まあ、婚約破棄されてバッドエンドなんだから、仕方ないか。

コーデリック王子はこの国の第一王子だが、悪魔憑きと人々から疎まれていた。
しかもそれを証明するかのように、本人も変人となれば仕方ない。
そのせいで王位継承権は剥奪され、廃嫡も秒読み段階だ。
ゲームではコーデリック王子にシャローラは奴隷のように扱われ、その一生を終える。
そんなバッドエンド真っ直中にいるのに私はといえば。

「ま、いっか」

滅茶苦茶気軽にコーデリック王子の暮らす小屋のドアを開けた。

「コーデリック王子、はじめまして。
私……」

そこまで言ったところで大爆発が起こり、目の前が真っ白い煙で覆い尽くされる。

「くそっ、また失敗か」

「王子?
王子、無事ですかー!?」

煙が晴れると共に徐々に部屋の中が見えてくる。
そこは本や魔法石があちこちに積み上がり、雑然としていた。

「……誰だ、キサマ」

部屋の中央にいた男が不機嫌そうにこちらを見る。
ボサボサの黒髪に痩せぎすで白衣、分厚い丸眼鏡は姿は、マッドサイエンティストを彷彿とさせた。

「今日から王子のお世話係を……」
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