私、修道女になりたいのですが。。。 ー 悪役令嬢のささやかな野望?
じっとりと彼を見て訴えていたら、変な気遣いをされた。
「そんなにそのキャンディーが気に入ったなら、俺の分もあるが」
そんなに食いしん坊に見えますか?
「……いいえ、もう充分です」
キャンディーを食べ終え、子供たちと一緒に後片付けをしていると、ルーカス様が現れた。
「おーい、アレックス、迎えに来たぞ……って、アリスちゃん?」
ルーカス様が私を見て目をパチクリさせる。
「ルーカス様、ごきげんよう。あの……私もお暇します」
顔を強張らせながらルーカス様に挨拶すると、牧師様や子供たちに声をかけた。
アレックス様たちと一緒に孤児院を出て、「では、私はここで」と頭を下げたら、突然アレックス様に手を掴まれた。
「待て。お前の迎えは来ていないようだが、どうやって帰るつもりだ?」
「え? 歩いて帰ります。道はわかりますから」
自信を持って答えたが、私を見る彼の目はどこか厳しい。
「そういう問題ではない」
ああ。私が公爵令嬢だから心配しているのね。でも、私はずっと庶民として生きてきたのだ。
「大丈夫ですよ。慣れていますから」
私の返答を聞いて、アレックス様とルーカス様がなぜか盛大な溜め息をつく。
「俺の馬車で送っていく」
アレックス様の言葉を聞いてギョッとした。
「そんなご迷惑はおかけできません。ただ歩いて帰るだけですから、ご心配には及びませんよ」
丁重にお断りしたのに、アレックス様は腕を離してくれない。
「お前がひとりで歩けばすぐに誘拐される。お前は目立つからな。今まで無事だったのが不思議なくらいだ」
目立つ? グレースの服を着ているのに?
「いえ、今日は華美な服は着ていませんし、誰が見たって町娘にしか見えませんよ」
胸を張る私を見て、ふたりが声を揃えて突っ込んできた。
「「見えない」」
「うっ……。そんなふたりして否定しなくても」
格好だって気をつけているのに、なにがいけないというのか。
苦笑いする私に、ルーカス様が優しく説明する。
「あのね、マリアちゃん、たとえどんなボロを着てたって、その美しさは隠せないんだよ」
「そんなにそのキャンディーが気に入ったなら、俺の分もあるが」
そんなに食いしん坊に見えますか?
「……いいえ、もう充分です」
キャンディーを食べ終え、子供たちと一緒に後片付けをしていると、ルーカス様が現れた。
「おーい、アレックス、迎えに来たぞ……って、アリスちゃん?」
ルーカス様が私を見て目をパチクリさせる。
「ルーカス様、ごきげんよう。あの……私もお暇します」
顔を強張らせながらルーカス様に挨拶すると、牧師様や子供たちに声をかけた。
アレックス様たちと一緒に孤児院を出て、「では、私はここで」と頭を下げたら、突然アレックス様に手を掴まれた。
「待て。お前の迎えは来ていないようだが、どうやって帰るつもりだ?」
「え? 歩いて帰ります。道はわかりますから」
自信を持って答えたが、私を見る彼の目はどこか厳しい。
「そういう問題ではない」
ああ。私が公爵令嬢だから心配しているのね。でも、私はずっと庶民として生きてきたのだ。
「大丈夫ですよ。慣れていますから」
私の返答を聞いて、アレックス様とルーカス様がなぜか盛大な溜め息をつく。
「俺の馬車で送っていく」
アレックス様の言葉を聞いてギョッとした。
「そんなご迷惑はおかけできません。ただ歩いて帰るだけですから、ご心配には及びませんよ」
丁重にお断りしたのに、アレックス様は腕を離してくれない。
「お前がひとりで歩けばすぐに誘拐される。お前は目立つからな。今まで無事だったのが不思議なくらいだ」
目立つ? グレースの服を着ているのに?
「いえ、今日は華美な服は着ていませんし、誰が見たって町娘にしか見えませんよ」
胸を張る私を見て、ふたりが声を揃えて突っ込んできた。
「「見えない」」
「うっ……。そんなふたりして否定しなくても」
格好だって気をつけているのに、なにがいけないというのか。
苦笑いする私に、ルーカス様が優しく説明する。
「あのね、マリアちゃん、たとえどんなボロを着てたって、その美しさは隠せないんだよ」