私、修道女になりたいのですが。。。 ー 悪役令嬢のささやかな野望?
「それはどうも。では、行こうか」
大広間の扉が開き、アレックス様が私の手を引いて中へ入る。
大広間の中央には国王夫妻、その周囲には貴族が集まっていてとても緊張した。
国王が私とアレックス様の婚約を正式に宣言する。
これで終わりかと思ったら、国王が私の手を取り、アレックス様のと似たエメラルドの指輪を私にはめる。これはアニメではなかった展開だ。
「これはそなたが皇太子の婚約者である証だ」
国王が私ににっこりと微笑む。
ああ、アレックス様が『それも少しの間』と言ったのは、私も指輪をはめると知っていたからなんだ。
「祖母も昔はめていた指輪だ。だから、マリアはずっとここにいる。俺のそばに」
アレックス様がまっすぐに私を見つめて約束した。
それから皆の前でアレックス様とダンスを披露することになったのだけれど……。
「あっ……ぎゃっ!」
何度アレックス様の足を踏みそうになったかわからない。
彼の運動神経がいいからなんとか踊れているが、他の人が相手だったらこうはいかなかっただろう。
一曲なんとか踊り終わると息切れがして、アレックス様に笑われた。
「ダンスは練習しないといけないな」
「はい。頑張ります。もう死ぬ気でやります」
この世界で生きていくと決めたんだもの。
彼の妃になるために一生懸命努力しよう。
もう修道女になりたいなんて後ろ向きな考えはやめます。
だって、彼と一緒に生きて行くんだから――。
「凄い意気込みだな、マリア」
決意を新たにする私に、彼が甘く微笑んだ。
The end.
大広間の扉が開き、アレックス様が私の手を引いて中へ入る。
大広間の中央には国王夫妻、その周囲には貴族が集まっていてとても緊張した。
国王が私とアレックス様の婚約を正式に宣言する。
これで終わりかと思ったら、国王が私の手を取り、アレックス様のと似たエメラルドの指輪を私にはめる。これはアニメではなかった展開だ。
「これはそなたが皇太子の婚約者である証だ」
国王が私ににっこりと微笑む。
ああ、アレックス様が『それも少しの間』と言ったのは、私も指輪をはめると知っていたからなんだ。
「祖母も昔はめていた指輪だ。だから、マリアはずっとここにいる。俺のそばに」
アレックス様がまっすぐに私を見つめて約束した。
それから皆の前でアレックス様とダンスを披露することになったのだけれど……。
「あっ……ぎゃっ!」
何度アレックス様の足を踏みそうになったかわからない。
彼の運動神経がいいからなんとか踊れているが、他の人が相手だったらこうはいかなかっただろう。
一曲なんとか踊り終わると息切れがして、アレックス様に笑われた。
「ダンスは練習しないといけないな」
「はい。頑張ります。もう死ぬ気でやります」
この世界で生きていくと決めたんだもの。
彼の妃になるために一生懸命努力しよう。
もう修道女になりたいなんて後ろ向きな考えはやめます。
だって、彼と一緒に生きて行くんだから――。
「凄い意気込みだな、マリア」
決意を新たにする私に、彼が甘く微笑んだ。
The end.


