私、修道女になりたいのですが。。。 ー 悪役令嬢のささやかな野望?
「……おはようございます。あの、この指輪お返しします。ありがとうございました。無事に返せてよかった」
指輪を外してアレックス様に返すと、彼が意味深な発言をする。
「指輪がないと、その手が寂しそうに見えるな。だが、それも少しの間だ」
「少しの間?」
ポカンとして首を傾げたら、コンコンとノックの音がする。その音で慌ててベッドを出て身なりを整えると、グレースが入ってきた。
「マリア様、他の者に見つからないうちにご準備を。今日はいつもの十倍綺麗にさせていただきますよ」
「ただ学園に行くのに着飾らなくても」
ポカンとしながら返したら、グレースに凄い剣幕で怒られた。
「なにを言ってるんですか! 今日は婚約の儀があるんですよ」
「あっ」と間抜けな声を出す私。
昨日が怒涛のような一日で、婚約の儀のことを忘れていた。
「どうしよう。今日着るドレスがない」
家出すると思って華美なドレスは全部教会に寄附したのよね。
「大丈夫です。アレックス様がご用意してくれました」
アレックス様が?
驚いてアレックス様に目を向けると、彼は髪をかき上げながら私に微笑んだ。
「家出計画で婚約の儀のドレスのことなど頭になかっただろ?」
「……はい、そうですね。すみません」
面目なくてしゅんとする私の頬を彼は撫でる。
「きっと似合う。俺も見るのも楽しみにしている」
アレックス様の笑顔を見て、なんだか胸がジーンとしてくる。
その後、グレースや他の侍女に支度を手伝ってもらい、ドレスを身に着けた。
シルクのような柔らかな素材でできた桜色の綺麗なドレス。
「お綺麗ですよ」
グレースたちが褒めてくれて嬉しくなる。
婚約の儀が行われる大広間の扉の前に向かうと、アレックス様はもう待機していて、彼は騎士団の正装である紺色の隊服を着ていた。
金色の肩章の装飾や胸の勲章がより彼を気高く見せていて、一段とカッコいい。
うっとりとアレックス様を見つめていたら、彼が私の手を取って恭しく口づけた。
「そのドレスとても似合っている」
「あ、ありがとうございます。でも、アレックス様だってとっても素敵です」
指輪を外してアレックス様に返すと、彼が意味深な発言をする。
「指輪がないと、その手が寂しそうに見えるな。だが、それも少しの間だ」
「少しの間?」
ポカンとして首を傾げたら、コンコンとノックの音がする。その音で慌ててベッドを出て身なりを整えると、グレースが入ってきた。
「マリア様、他の者に見つからないうちにご準備を。今日はいつもの十倍綺麗にさせていただきますよ」
「ただ学園に行くのに着飾らなくても」
ポカンとしながら返したら、グレースに凄い剣幕で怒られた。
「なにを言ってるんですか! 今日は婚約の儀があるんですよ」
「あっ」と間抜けな声を出す私。
昨日が怒涛のような一日で、婚約の儀のことを忘れていた。
「どうしよう。今日着るドレスがない」
家出すると思って華美なドレスは全部教会に寄附したのよね。
「大丈夫です。アレックス様がご用意してくれました」
アレックス様が?
驚いてアレックス様に目を向けると、彼は髪をかき上げながら私に微笑んだ。
「家出計画で婚約の儀のドレスのことなど頭になかっただろ?」
「……はい、そうですね。すみません」
面目なくてしゅんとする私の頬を彼は撫でる。
「きっと似合う。俺も見るのも楽しみにしている」
アレックス様の笑顔を見て、なんだか胸がジーンとしてくる。
その後、グレースや他の侍女に支度を手伝ってもらい、ドレスを身に着けた。
シルクのような柔らかな素材でできた桜色の綺麗なドレス。
「お綺麗ですよ」
グレースたちが褒めてくれて嬉しくなる。
婚約の儀が行われる大広間の扉の前に向かうと、アレックス様はもう待機していて、彼は騎士団の正装である紺色の隊服を着ていた。
金色の肩章の装飾や胸の勲章がより彼を気高く見せていて、一段とカッコいい。
うっとりとアレックス様を見つめていたら、彼が私の手を取って恭しく口づけた。
「そのドレスとても似合っている」
「あ、ありがとうございます。でも、アレックス様だってとっても素敵です」