来世なんていらない
「だいじょうぶ?」

教室に戻った私に真翔が言った。

「うん、ごめんね。びっくりしただけだから」

「後でりいさにも言っとく」

「武田さんはいいの!」

真翔が驚いて私を見る。

ごめん、って言って、私は続けた。

「武田さんは謝ってくれたよ。私に言った酷いこと。今日のことも全然面白くなんかないって友達に言ってくれた」

「りいさが?でもりいさだって止めなかったんだろ」

「武田さんが全部制御出来るわけじゃないよ。全部武田さんがさせてるわけじゃないもん。でも武田さんは、自分がした嫌なことは謝ってくれた。私、嬉しかった。私が武田さんにやめて欲しいってお願いしたこと、武田さんはちゃんと考えてくれたんだって」

「そっか…。まつりがだいじょうぶならいいんだ。良かったね」

真翔がにっこり笑う。
つられて私も笑う。

今日は本当に十二位だ。
一時間目からこんなことが起こるなんて。

でも、空が薄い水色だった。
ラッキーカラーも当たってた。

明日からは一日の始まりに占いなんて見ないようにしようって思って、そんな自分がちょっとおかしかった。
そんなことに、左右されないように。

私は自分に起こることを占いのせいなんかにしたくない。
自分で決めるんだ。
強くなるんだ。

武田さんに届いたように。
もっと。
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