零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
最初の頃は​───────…

「芹奈ちゃん、ほんと桃季さんの事好きっすね」

「うんっ!だいすきーーーっ!」

「桃季さんのどこが好きですか?」

「……え、とね、ぜんぶーっ!」

…こんな感じだったのに。

にしてもあの頃素直だったなぁ〜…。

「大丈夫です。別にバラしませんよ」

補足のように一応付け足しておくけど…
信用がないのかジトー、と変な眼差しで見つめられてしまった。

「いや、ほんとに!内緒です」

初恋かなー。ピュアだなぁ…。

純粋に応援したい気持ちで溢れ返っていると今度は深刻そうな顔で僕を見た。

「けどさ…、一緒に住んでるのに今まで1回も手……出された事ないの」

あぁ……なるほど………………

ん?

手…?

いきなり何を言い出すかと思えば手…!?

「……そ、うなんですね」

視線をさ迷わせながら相槌を打つ。

え、いきなりなんてハードな壁を……。

「脈、ないよね。てか私のこと…、恋愛対象としては見てないよね。だっておかしいもん。自分で言うのもなんだけど私結構可愛い方じゃない?前もさ?顔かっこいいとか言ってみたけど全然変わんないし、ちょっと胸元開けて桃季の目の前通ったり、……してる、のに」

「……」
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