さよならの夜に初めてを捧げたら御曹司の深愛に囚われました
 ダークカラーで統一されている広いリビング。
 レンガと打ちっぱなしコンクリートが使われた内装に、アンティーク調の家具や照明が配置され、大きな窓辺に置かれた背の高い観葉植物は無機質な部屋に違和感なく溶け込み、クールなブルックリンスタイルを作り上げている。

 キッチンはアイランド型で、壁側の白いサブウェイタイルがリビングとの統一感と清潔感を出している。

 半年前に家主自らデザインしてリフォーム工事を入れたそうだが、かなりのセンスと資金力が必要だったはずだ。
 オシャレなだけではなく、生活のしやすさも両立しているのだからさすがとしか言いようがない。

 和輝は未来の部屋で結婚を申し込んだ翌日引っ越し先をここに変更し、一週間後には“お試し結婚”をスタートさせてしまった。

『えー、そんなもん、付けこんでなんぼでしょーよ。気にすることないわよ』

「何言ってるの。気にするよ。それに急に和くんが同居を提案してきたのは私が引っ越し先に困ってることもあったんだと思う」
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