雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
「雪野……、何か、言ってくれ」
ブラウスの裾から入り込んだ手のひらが腰から滑って行く。私の身体の線をなぞるように触れた。
その触れ方は私を確かめるようで。
「たった二週間で、こんなに痩せて……」
呻いたようにそう言うと、創介さんが強く私を抱き上げた。その反動で腕がだらりと落ちる。
「大切なものを、壊したくないんだ。だから――」
創介さんが、震えている。
私も、創介さんを壊したくない。
――創介のことを思うならどうするべきか。
分かっている。
私だって、創介さんのことが大切だ。創介さんの家族が思うのに負けないくらい、たまらなく愛している。
一見怖そうで、少し強引なところもあるけれど、とても優しい人で。
いつも私のことを大事にしてくれる。
なのに、私はあなたのためになれない。それって、こんなにも辛いことだったんだね――。
傍にいることしか出来ない自分。
そんなこと結婚する前から分かっていた。
一緒にいることが一番大事なんだって思っていた。
傍にいて、私は私なりに頑張ればいい――。
そう思っていたけれど。そんなに簡単なことではなかったのだ。