雪降る夜はあなたに会いたい 【下】


「――それで、式の日取りは?」

創介さんの隣で、私は微動だにしないまま座っている。

真正面に座る、創介さんのお母様、その隣にお父様――。

部屋の中央に配置されたソファセットの真ん中に座り、その威圧感はこの恐ろしく広い居間を張り詰めさせていた。

ここへ私が来てから、その表情が変わることはない。

私の存在なんてまるで気に留める価値すらないもののように、さっきから一切視線も合わせない。

これまでの人生でいたたまれない気持ちになったことなんて何度もあったけれど、これほどまでに針の筵のように感じたことはないかもしれない。

今日は、初対面だ。

それなのに、挨拶を形だけ済ませてしまえば、私のことを何も聞かれることもなく、あっと言う間に結婚式の段取りの話題に移っていた。

それもそうか。二年前に、秘書の倉内さんが私のことは調べたと言っていた。聞くまでもないのだ。全部私のことは知っている。

「秋頃がいいかと考えてます」

それはつまり――。

結婚は許した。でも、それだけ。

そう無言で訴えられているような気がした。

決して歓迎されているわけではない――。

でも、それは分かっていたことだ。

榊の家が、私のような人間との結婚を認めてくれただけで凄いことなのだ。それに、私の隣には創介さんがいる。すぐ横にいる創介さんの顔をちらりと見上げた。

「――雪野のご家族ともそう話して、了解を得ています」

創介さんが私と視線を合わせて、そっと背中に手を当ててくれた。このソファに座ってからずっと無意識のうちに入っていた力を緩めてくれるように、その手のひらは暖かかった。

「招待客のリストは?」
「今、作成を進めています」
「出来次第、私のところに持って来なさい」

創介さんとお父様の会話の間、お母様の姿に目を留めた。

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