雪降る夜はあなたに会いたい 【下】


「女の子だし、お義兄さん、絶対溺愛しそうですよね」
「え?」

優太君が意地悪く笑って、俺を見る。

「『嫁には行かせない!』なんて言って、娘を困らせる父親にだけはならないでくださいよ?」

人懐こい優太君が俺をからかった。

でも――。

ふと考え込む。この瞬間までは、ただ無事に生まれて来てくれと、そのことしか考えていなかった。

でも、この子が大きくなって年頃になって、変な男を連れて来たりしたら――。

そんなことが急に想像として膨らみ出して、落ち着かない気分になって来る。

「創介さん? 何を黙ってるの? そこは否定してください」
「これは、先が思いやられるな」

雪野の言葉に、父までもが笑う。

「いや、それにしても可愛いな。自分の子に女の子はいなかったから、余計にそう思うのか。確かに、創介が心配になるのも少しは理解できるな」

あなた、キャラクターが変わり過ぎですよ――。

なんだ、そのデレデレとした顔は。そんな父に、継母も苦笑して言った。

「この子も大変ですね。父親と祖父からあれやこれやと言われたら」
「本当です。創介さん、この子を困らせないでくださいね」

雪野が心底不安そうに俺を見上げる。

「困らせたりするか。父親として、ちゃんと見守るさ」
「本当にそうできますか?」

皆で笑う。

こうやって、家族になって。雪野とこの子の笑顔を守るために、強くありたい。

幾度となく季節を超えて二人で時間を積み上げながら、夫婦になっていこう――。


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