雪降る夜はあなたに会いたい 【下】

「それにしたって、今更だろ? おまえの身体、何年見て来たと思ってるんだ」
「分かってます。自分でも、どうしてそんなこと言ったのか、訳が分からないの」

顎から頬のラインにかけて創介さんの手のひらで固定されていて、顔を背けようにも背けられない。
仕方なく視線だけでもその目から逃れようと思うのに、どんどん創介さんの顔が近付いて来る。

「そんなことを口にしたってことは、おまえの潜在意識の中にあることなんじゃないのか?」
「そ、んなことは――」

ち、近い――。

心だけが忙しく逃げ惑っていても、完全に創介さんの手のひらの中に囚われている。どこにも逃げられるわけがない。

創介さんの唇が、触れるか触れないかの距離で囁く。

「妻を不安にさせるのは本意じゃないからな。しっかり、分からせてやろう」
「え――」

零した声は、すぐに創介さんの唇に掬われてしまった。遠慮ない唇に、すぐに息が上がる。

いつもより、少し強引なキス。そのせいで、私の身体は途端に熱くなって吐息を漏らしてしまう。

「どんな女が俺の好みかって……?」
「あ……っ、待って――」

やっと唇を解放されたかと思ったら、耳たぶに熱い舌が這う。そんなことされながら囁かれたりなんかしたら、身体が勝手に震えてしまう。
そんな私にお構いなしに、創介さんの手は私のパジャマのボタンを次々外していく。

「キスして、耳を舐めただけで、こんなに身体を熱くしていやらしい声を出す。雪野をこんな風に女の身体にしたのは、誰だ?」

手も、唇も、動きを止めることなく、私に囁き続ける。

「この胸だって、初めて抱いた時より大きくなった」
「やっ……!」

いつの間にかパジャマも下着も剥ぎ取られていて、抱き上げられて創介さんの脚にまたがるように座らされていた。

素肌を大きな手のひらがら激しく這い回り、唇で触れながら喋り続けるから、もう快感でうち震える。

「まだ触れてもいない場所を、もうこんなにして」
「言わないで――」
「何も知らなかった雪野を、こんな風に淫らにしたのは、俺だろ?」

私を見上げる創介さんの目は熱く滾って、その目を見るだけでもう私は理性のすべてを投げ出してしまいたくなるのだ。

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