主従夫婦~僕の愛する花嫁様~

【幸せを噛みしめる夜】

パーティー会場のある、ホテルに向かう。

会場に入ると、一気に注目を浴びる紅葉と雲英。

「紅葉様だ////」
「姫様、綺麗/////」
「日に日に綺麗になるわよね~/////」


「でも、あのツーショット、慣れないわね(笑)」
「確かに!
いつも甲斐さん、後ろに控えてたからね!」

雲英に手を引かれ、ゆっくり歩いてくる紅葉。
出席者達は、口々に話している。

「でもほら、二人は夫婦になられたんだし!」


「やっと来た!」

「あ、更井さん、こんにちは!」

「お嬢様、こんにちは!
お待ちしておりました!」
亞嵐が近づいてきて、微笑み挨拶してきた。

「お待たせしました!
おじ様とおば様は、どちらですか?」

「申し訳ありません。
今日は所用がありまして、代わりに僕が出席させていただきました」

「そうですか……
ドレスのお礼をと思ったのですが……
でしたら、よろしくお伝えください。
後日、改めてお礼をさせてください」

「はい、ご丁寧にありがとうございます!」

丁寧に頭を下げる紅葉に、亞嵐も丁寧に頭を下げる。

紅葉には、母親がいない。
雲英にもいない。

その為、女性特有の悩みがあった時、亞嵐の母親に相談をしてきた。
紅葉にとって、母親代わりでもあるのだ。



「紅葉様、お父様に挨拶に行きましょう!」


「━━━━雲英。生活は、どうだ?」

紅葉の父親に挨拶に向かう。

父親の言葉に、雲英は微笑み言った。
「はい。とても、充実した幸せな日々を過ごしております!」

言葉がなくても、表情でわかる程の雲英の幸せそうな顔。
父親は、満足そうに微笑んだ。

「紅葉も、幸せか?」
「はい!とっても!」

「そうか。
夫婦は、二人で築くもの。
助け合って、支え合って、二人の夫婦の形を見つけなさい……!」

「「はい」」


立食式の、パーティー。
雲英と紅葉は、料理が並んだテーブルに向かった。

「紅葉様、何を召し上がりますか?」
皿を持った雲英が微笑む。

「んー、何がいいかな~
キッシュ、食べたいな!」
「はい!」

「甲斐は?」
「僕は、紅葉様が召し上がってから頂きます!」


「…………一緒がいいな…/////」
雲英の言葉に、紅葉は雲英のジャケットを少し握り見上げた。
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