主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
「え…/////」

「私達、夫婦だよ?
一緒に食べよ?」

「あ////は、はい…!!
でしたら、ご一緒に……!」

「あ!じゃあ、私が甲斐のを取ってあげたい!
何がいい?旦那様?(笑)」

「フフ…僕も紅葉様と同じ、キッシュにします!」

「うん!
…………ん…んんっ?
あ━━━━!!!?」

皿に移そうとして、崩してしまう紅葉。
紅葉が盛った皿には、せっかくの美味しそうなキッシュが見るのも無惨になっていた。

「フフ…」
なんだか可愛くて、笑みがこぼれる雲英。

紅葉は、仕事以外はほんとに上手くできない。
不器用ではないが、典型的な世間知らずだから。

「甲斐、これは私が頂くわ!
甲斐は、そちらの自分で取ったキッシュを頂いて?」

「それば出来かねます」

「え?でも、せっかくのキッシュよ?
見た目、かなり不恰好だわ!」

「“紅葉様が、僕のために取ってくださった”
これには、深い意味があります。
僕にとっては、どんなお料理よりも、今このキッシュが一番美味しい食べ物です!」

そう言って雲英は、自身が持っていた皿と紅葉が持っている皿を交換した。

「紅葉様、食べましょ?」
「えぇ」


その他の参加者と会話も楽しみながら食事をした、雲英と紅葉。

「甲斐」
「はい」

「お手洗いに行ってくる」
小声で耳打ちしてくる紅葉。

「はい。
僕も、近くまでお供します」

「甲斐は、皆様とお話してて?」
首を横に振り、一時退場する紅葉。

雲英は目でそれを追い、今度は亞嵐の所へ向かった。

「━━━━なんですよ!」
参加者と楽しそうに会話をしている、亞嵐。

「失礼!
亞嵐、ちょっと……」

「え?
………すみません、少し失礼しますね!」
そう言って、雲英についていった。

二人は、窓際に移動する。
「なんだ?」

「澪雨にお前、会ったんだよな?」

「は?あぁ。それで?」

「お前、何か言われた?」

「は?何かって?」

「フラフラしてるって言ってたってことは━━━」

「あぁ。
“また、遊んで”って言われた(笑)」

「お前もか」

「は?雲英も?
てか、会ったの?」

「お前から、澪雨に会ったって聞かされたあの後、店の前にいた」

「マジか!?(笑)
…………フフ…また、遊んでって…よくもまぁ、そんなこと言えるよな?あいつ」

「この事、紅葉様には口が裂けても言うなよ?」
「は?
当たり前だろ!?
さすがに、そんなバカなことしねぇよ!」
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