主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
「━━━━私も……」

ベッドに横になり、雲英が紅葉を包み込んで眠りにつく。
二人の、就寝スタイル。

雲英を見上げて、不意に紅葉が言った。

「ん?」

「もし、甲斐に恋人がいたら……私も、セフレで良いからって思うのかな?」

「………」

「私は、最初から甲斐が私を想ってくれてたから、そんなこと考えずに済んだでしょ?
でも、もし……って思って……」

「━━━━━もし、そうなっていたとしても……
紅葉様は、僕のようにはならないと思います」

「え?そうかな?」

「はい。
紅葉様、僕と初めてセックスした日を覚えてますか?」

「え?
覚え…てる…けど…/////半分…かな?
とにかく…恥ずかしくて、緊張してたことしか…/////」

「僕は今でも、鮮明に覚えてますよ……!」

「そ、そう/////」


『━━━━━紅葉様、僕を見て?』
『む、無理ぃ…/////』

初めてセックスした日━━━━━━
その日は婚約した日で、初めてのお泊まりした日だ。

ホテルのスイートルーム。
シャワーを浴び、ベッドに向かい合って座り紅葉を両足で包み込んでいる雲英。
頬を包み込んで、紅葉の顔を覗いている。

『でも見つめ合わないと、愛し合ってるとは言えませんよ?
紅葉様は、僕を愛してくれてるんですよね?』

『うん…/////』

『だったら、見てください』

『う、うん…/////』
ゆっくり、見上げる。

『あ…目、合った………!』
雲英は、嬉しそうに微笑んだ。

紅葉もつられるように微笑む。
『………甲斐』

『はい』

『う、上手く出来なかったら……ごめんなさい…』

『そんな心配は必要ありません』

『甲斐?』

『僕達は“二人で”愛し合うんです。
大切なのは、上手く出来ることじゃない。
幸せを感じられるかどうかです……!』

『幸せ…』

『はい。紅葉様は“僕と幸せになりたいと”思ってくださったから、プロポーズを受け入れてくれたんですよね?』

『うん』

『“僕だから”今も、身体を開いてくれようとしている』

『うん。甲斐じゃないと、やだ!』

『それなら、問題ありません。
紅葉様、僕と…触れ合って……幸せになりましょ?』

『うん!』
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