主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
「あ…も、申し訳…ありません…」

さすがにやり過ぎたか………

雲英は肩を落とし、頭を下げて謝罪する。


すると、頭の上から“はぁー”とため息が落ちてきた。

紅葉様が、呆れている………

雲英は益々、顔を上げられない。
「紅葉様、もう二度とこのようなことを致しませんので、どうかお許しを……」

頭を下げたまま、謝罪を繰り返した。

すると今度は、フフ…と笑い声が聞こえてきた。

「え……」
思わず、顔を上げる雲英。

すると紅葉が、両手を広げ言った。
「まだお仕事終わってないから、少しだけだよ!
おいで?」

微笑み言う紅葉に、雲英は吸い寄せられるように抱きついた。

「紅葉様…紅葉様…!好きです!大好きです!」
抱き締め、紅葉の肩に顔を埋める。

愛しくて、堪らない━━━━━
何度“好きだ”と伝えても、足りないくらいだ。

「フフ…私も、甲斐が大好き!」

「好きです!
紅葉様…紅葉様……」
抱き締めている隙間から、紅葉にキスを繰り返す。

「フフ…フフフ…甲斐、くすぐった…い…よ…!」

「フフ…紅葉様、キスしましょ?」
頬を包み込んで、口唇を寄せる雲英。

奪うように重ねて、貪った。

「んんっ!?
かいぃ…苦し……」
「紅葉様…好き…大好き……口唇、離さないで……」

「や…甲斐…も…やめ…」

「ダメ…紅葉様…もっと…もっとして……」

スイッチが入り、止まらなくなる雲英。

必死に押し返そうとするが、びくともしない。
それどころか……手を掴まれ、カーペットの上に押し倒された。

「え……!?か、甲斐!!」

「紅葉様、可愛い/////
もっと…もっとしましょうね……!」

「甲斐…だめ……ほんとにやだ……!!」

「ん…紅葉様…んぁ……好き、好き…大好き」
甲斐の口唇が、紅葉の頬や首に移動する。

「やめて…やめ…
━━━━━━甲斐!!!」

「……っあ!!?」
紅葉の鋭い呼び声に、雲英はやっと我に返る。

「甲斐、やめて!
まだ、お仕事中なの。
それに、こんなところでやだ…!」

「も、申し訳ありません!!」

慌てて紅葉から離れ、そのまま土下座して謝る雲英。

「やっぱり、お部屋に行くわ。
お仕事が終わるまで、甲斐は来ないで!」

紅葉は、ノートパソコンを持ち部屋に行ってしまったのだった。
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