主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
玄関の呼び鈴が鳴り、紅葉は慌てて玄関に向かう。

「どうぞ!」
「失礼します!
………ん?」

「え?どうかされました?」

「あ…/////いえ…/////」
(その首のって、キスマークだよな…
え?え?
俺、見せつけられてる?
お嬢様って、そんなことやる人じゃねぇよな?)
首が広く開いた服を着ている、紅葉。
首のキスマークが、もろに見えていた。

「更井さん?」

「あ、あの…その服は、雲英に着るように言われたんですか?」

「え?これですか?
え!?変ですか!?」

「いえ!とても、可愛らしいですよ!」

「良かった…
ちょっと、更井さんには見せられない格好をしてたので慌てて着替えたんです。
何も考えずに、クローゼットから取ったので……」

「そうだったんですね!」
(なんだ。見せつけられてねぇんだったらいいや!)


「━━━━今、お飲み物を準備しますね!
アイスティーでもいいですか?」

「はい!お構い無く!
あ、弁当を冷蔵庫に入れていただけますか?
今日も暑いので」

「あ、はい!」
弁当を受け取り、紅茶を出す。


「━━━━いただきます!」
「どうぞ!」

「初めてですよね?留守番」
「あ、はい。
だから、寂しくて…
良かったです!更井さんが来てくれて!」

「僕も、嬉しいです!
こんな風に話が出来て」

「フフ…私もです!」

「え?」

「ん?更井さん?」

「お嬢様も…そんな風に思ってくれてるんだ……!」

「え?はい。
更井さんとのお話、楽しいから!
それに、甲斐のお兄様みたいな感じだし」

「お兄様?ですか?」

「はい!」

「僕の方が、お兄様なんですか?(笑)」

「えぇ、甲斐が弟です!(笑)」

「そうかな~?」

「はい(笑)
昔から、そう思ってましたよ!
上手く言えませんが、更井さんはいつも落ち着いていらっしゃるから。
甲斐も基本的に冷静ですが、私のことになると見境がなくなって冷静さを欠くので……(笑)」

「あー(笑)確かに!(笑)」

クスクス笑う紅葉に、亞嵐も微笑んだ。
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