悪役令嬢はクールな魔道師に弟子入り致します
 そう言って、手を離した。私は笑顔で返して部屋を出た。

 なんだかんだでリアムも弟みたいだし、その姉のリンダも友達になった。

 「今日は王宮へ上がる日だ。お前はリアムと仕事をしていろ。いいな」

 「はーい」
 
 私は手を上げて元気よく返事した。

 セシルは笑ってる。

 リアムは私達を見て心配そうにしてる。リンダがセシルを大好きで片思い中なのだ。

 私を恋敵とみなしたリアムは私とセシルが笑い合うと警戒するのだ。

 王宮にセシルがいっている間にリアムと仕事をしながら話をした。

 「ねえ、リアム。王様とか王太子様ってどのくらい魔道を使えるの?」

 「そうだね。自分ではあんまり使えないけど、魔法具などを使うことは出来るよ。師匠がそういうことを教えに行ってるんだよ」

 「なるほどね。自分で魔法を使うには修行が必要なのね」

 「それはそうだよ。王室の人達は修行している時間はないからね。でも戦や、何かあった時に身を守るすべを知る必要があるから魔法具を選んで教えてるらしい」

 なるほど。確かにパートⅡの戦の場面で何か使っていたような気がする。剣だったかな?忘れたけど……。

 「ねえ、リアム。私にも魔法具の使い方教えてよ。簡単なものでいいから……」

 「うーん。そうだな。この粉は一瞬身体を隠したりすることが出来るんだけど、粉を使える気象条件が結構ある。粉を使いすぎると転移することもあるから気をつけないといけないんだ」

 「なるほど、なるほど……」

 「この液体も地面に蒔くと煙が上がって一瞬視界が覆われて周りが見えなくなる。目くらましみたいなものだよ。ただ、これも気象条件があるし、土壌も草があるところでやるとガスが出て良くない。周りの植物や生き物に配慮する必要もある」

 「ふーん。気象条件か。やっぱり自然を利用したり、共存してりしているんだね」
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