悪役令嬢はクールな魔道師に弟子入り致します

プロポーズ

　翌朝。
　目覚めたリリアーナはマントの中で横になって寝ていた。

　身体を起こして周りを見ると、セシルがいない。
　びっくりして立ち上がり、セシルの名を呼んだ。

　すると、後ろからセシルの左腕が首に回った。

　「……っ！もう、びっくりさせないでよ。ひとりぼっちになったかと思ったじゃない」

　振り向くと、セシルが笑っている。こんな笑顔初めて見た。リリアーナは胸がきゅんとしてしまった。
　
　「どうした？」

　笑顔でたくさんの果物やキノコなどを抱えている彼を見つめる。

　「……セシル、大好きよ」

　そう言うと、彼に抱きついた。

　セシルはびっくりして、果物を落としてしまった。

　「お、おい。リリアーナ急に抱きつくな」

　リリアーナは果物を拾い、セシルを見つめて言った。

　「昨日の夜のことは夢？」

　リリアーナは首をかしげてセシルに聞いた。セシルは果物を受け取ると下において、彼女を抱き寄せた。

　「……夢じゃない。お前のことを私は一生離さないと決めた」

　そう言って、ふたりは顔を寄せると自然とまたキスをした。

　ふたりは急いで朝食を取ると、残った食べ物を袋に入れ、湖で水を水筒へ入れた。

　「まだ、魔力が回復しきれていない。お前と二人で転移するにはあと半日くらいは時間がかかる。リアムとの念話ももう少し経たないと出来ない。あいつが私の気配を感じてくれたら何らかの連絡を取ってくるだろう」

　「リアムってどのくらい優秀なの？」