悪役令嬢はクールな魔道師に弟子入り致します
セシルはマントの中にリリアーナを抱き入れて、呪文を唱える前に口づけを交わした。
そのままふたりの姿は森から忽然と消えたのである。
そうして、私達は無事に戻ってきた。
そして、リンダには悪いけれど、私と彼は結婚するつもりであることをリアムに伝えた。
予想に反してリアムは泣きながら祝福してくれた。セシルの青いオーラを見た瞬間、全てを悟ったと話した。
「でも、師匠。王様がリリアーナさんとの結婚を許すでしょうか?魔道師の結婚はこの国では珍しいですし、師匠は筆頭魔道師ですよ。もしかすると、反対されるかもしれません」
確かにそうかもしれない。ゲームの中ではセシルは結婚しない。だからこそ、セシルルートで女子がわくわくするんだよ。
「誰がなんと言おうともう決めた。それに、王室が結婚に反対するようなら、この国を出るからいい」
「ええー!師匠がこの国を出たら、大変なことになりますよ。師匠がいるから、隣の国は侵攻してこないんですよ」
リアムは食いつくように言ってきた。そうだったんだ。ん?つまりセシルルートの魔道戦争ってまさか……。
「リリーを俺のものに出来ないなら、こんな国に用はない」
そう言うと、私を抱き寄せおでこにキスを落とした。甘い、甘すぎる。近頃のセシルは別人だ。私の作るジャムより甘い。ぎゅっと抱き寄せられた。だが、私は心を鬼にして彼の胸を押し返した。
「そういう問題じゃないって言ってるでしょ。リアムだっているんだから……」
「リアムなら大丈夫だ。アイツはすでにかなりの力を持っている。俺の代わりも務められるだろう」
「で、でも……」
「お前はしかも王太子に婚約破棄されたんだ。この間だって王太子のせいでお前は辺境へ飛ばされたんだぞ。正直この国には愛想がつきた。忘れたのか?」
次の日。セシルは意気揚々と王宮へ乗り込むと王様へ結婚を申し出た。
「何だと?リリアーナと結婚?どういうことだ……王太子は彼女をお前に預けたと言っていたが、何故そんな話になる」
「彼女は薬に詳しいので、薬草を採ったり手伝いをしてくれていましたが、料理や掃除もできます。弟子はリアムひとりでしたし、女性は繕いものもしてくれて正直大助かりだったのです」
そのままふたりの姿は森から忽然と消えたのである。
そうして、私達は無事に戻ってきた。
そして、リンダには悪いけれど、私と彼は結婚するつもりであることをリアムに伝えた。
予想に反してリアムは泣きながら祝福してくれた。セシルの青いオーラを見た瞬間、全てを悟ったと話した。
「でも、師匠。王様がリリアーナさんとの結婚を許すでしょうか?魔道師の結婚はこの国では珍しいですし、師匠は筆頭魔道師ですよ。もしかすると、反対されるかもしれません」
確かにそうかもしれない。ゲームの中ではセシルは結婚しない。だからこそ、セシルルートで女子がわくわくするんだよ。
「誰がなんと言おうともう決めた。それに、王室が結婚に反対するようなら、この国を出るからいい」
「ええー!師匠がこの国を出たら、大変なことになりますよ。師匠がいるから、隣の国は侵攻してこないんですよ」
リアムは食いつくように言ってきた。そうだったんだ。ん?つまりセシルルートの魔道戦争ってまさか……。
「リリーを俺のものに出来ないなら、こんな国に用はない」
そう言うと、私を抱き寄せおでこにキスを落とした。甘い、甘すぎる。近頃のセシルは別人だ。私の作るジャムより甘い。ぎゅっと抱き寄せられた。だが、私は心を鬼にして彼の胸を押し返した。
「そういう問題じゃないって言ってるでしょ。リアムだっているんだから……」
「リアムなら大丈夫だ。アイツはすでにかなりの力を持っている。俺の代わりも務められるだろう」
「で、でも……」
「お前はしかも王太子に婚約破棄されたんだ。この間だって王太子のせいでお前は辺境へ飛ばされたんだぞ。正直この国には愛想がつきた。忘れたのか?」
次の日。セシルは意気揚々と王宮へ乗り込むと王様へ結婚を申し出た。
「何だと?リリアーナと結婚?どういうことだ……王太子は彼女をお前に預けたと言っていたが、何故そんな話になる」
「彼女は薬に詳しいので、薬草を採ったり手伝いをしてくれていましたが、料理や掃除もできます。弟子はリアムひとりでしたし、女性は繕いものもしてくれて正直大助かりだったのです」