悪役令嬢はクールな魔道師に弟子入り致します
「それは落ちたせいじゃなくて、乗っていて痛くなったんじゃないのか?」
「……そうかな」
セシルが私をぎゅっと抱き寄せると自分の後に隠した。
「ど、どうしたの?」
ケビンはセシルの顔を見て笑い出した。
「……あっはは、いつもは涼しい顔の魔法使いも好きな女のことになると普通の男なんだな。これはいいものを見せてもらった」
「……リリーは私の妻になる。悪いがお前には渡さない!」
「セシル、私との結婚のお許しは王様からもらえたの?」
私はびっくりしてセシルを見た。何しろ、勢い込んで王宮へ行ってしまい、何かあったらどうしようとリアムと心配していたのだ。
「当然だ。許されないならこの国を出ると言っただろ」
「良かった……リアムと心配していたのよ」
「一応、王様からの許しは得た。だが王太子様が反対している。でも王様がいいというなら問題ない」
ケビンが笑って答えた。
「それは良かったな。おめでとう。本当なら、リリーは俺の嫁にしたかった。子供も懐いているし、料理はうまいし、薬も作れる。無愛想なお前にはもったいない、明るくていい子だ」
「何だと?」
セシルがムキになった。私はセシルの背中を叩いた。
「もう。冗談よ。ケビンはモテるのよ。私みたいな跳ねっ返りじゃなくてもよりどりみどりなの。この近くの農場の娘さん達も後添いでもいいからお嫁に来たいって言っている人が大勢いるわ」
ケビンは私を見ると真面目な顔をして答えた。
「……そうかな」
セシルが私をぎゅっと抱き寄せると自分の後に隠した。
「ど、どうしたの?」
ケビンはセシルの顔を見て笑い出した。
「……あっはは、いつもは涼しい顔の魔法使いも好きな女のことになると普通の男なんだな。これはいいものを見せてもらった」
「……リリーは私の妻になる。悪いがお前には渡さない!」
「セシル、私との結婚のお許しは王様からもらえたの?」
私はびっくりしてセシルを見た。何しろ、勢い込んで王宮へ行ってしまい、何かあったらどうしようとリアムと心配していたのだ。
「当然だ。許されないならこの国を出ると言っただろ」
「良かった……リアムと心配していたのよ」
「一応、王様からの許しは得た。だが王太子様が反対している。でも王様がいいというなら問題ない」
ケビンが笑って答えた。
「それは良かったな。おめでとう。本当なら、リリーは俺の嫁にしたかった。子供も懐いているし、料理はうまいし、薬も作れる。無愛想なお前にはもったいない、明るくていい子だ」
「何だと?」
セシルがムキになった。私はセシルの背中を叩いた。
「もう。冗談よ。ケビンはモテるのよ。私みたいな跳ねっ返りじゃなくてもよりどりみどりなの。この近くの農場の娘さん達も後添いでもいいからお嫁に来たいって言っている人が大勢いるわ」
ケビンは私を見ると真面目な顔をして答えた。