悪役令嬢はクールな魔道師に弟子入り致します
「リリー。俺は本気だよ。この陰気な魔法使いに飽きたらいつでも来いよ。大歓迎だ」
「……お前。王宮筆頭魔道師の私にその口の利き方は何だ?」
「もう、セシルったら。さあ、帰りましょ。ケビン、またね。今日はありがとう」
ケビンが苦笑いをしながら手を振ってくれた。セシルがマントの中に私を入れようとしたので身体を押して言った。
「ダメよ。動物の前では魔法は使わないで。また急に消えたら牛や馬、犬も驚くわ。のんびり歩いて帰りましょ」
セシルは私の手を握ると歩きながらじっと顔を見た。
「……何?」
「どうしてケビンに馬の乗り方を習っているんだ。私も教えてやれるのに……」
「だって、あなたは忙しいもの。毎日、国境の様子を調べたり、王宮のことにも気を配っている。リアムとふたりでやるには多すぎる仕事量だと思うわ。私のことなんて教える時間はないでしょ」
「リリー為ならいくらでも時間は作る。それに、アイツと一緒にいるのは許せない」
ぷいっと前を向いてしまう。嘘みたい。もしかして、嫉妬してる?大丈夫って言ったのに……。
「だから、心配するようなことはないから……」
「いや。あいつのさっきの言葉は本心だ。嘘じゃないことくらいはすぐにわかった。アイツはリリーが好きなんだよ」
「……ええ!?」
赤くなって下を向いた私を見て、セシルは私を抱き寄せた。
「早く結婚しよう。誰にもリリーを取られたくない……」
「それはいいけど、乗馬は習いに行きます。結婚するって言ったんだし、心配ないからね。安心して」
腕の中の私の顔をちろりと見る。
「いや、実は別な理由もあって心配なんだ。館の周りに結界を張ろう。誰も入れないように……」
「……お前。王宮筆頭魔道師の私にその口の利き方は何だ?」
「もう、セシルったら。さあ、帰りましょ。ケビン、またね。今日はありがとう」
ケビンが苦笑いをしながら手を振ってくれた。セシルがマントの中に私を入れようとしたので身体を押して言った。
「ダメよ。動物の前では魔法は使わないで。また急に消えたら牛や馬、犬も驚くわ。のんびり歩いて帰りましょ」
セシルは私の手を握ると歩きながらじっと顔を見た。
「……何?」
「どうしてケビンに馬の乗り方を習っているんだ。私も教えてやれるのに……」
「だって、あなたは忙しいもの。毎日、国境の様子を調べたり、王宮のことにも気を配っている。リアムとふたりでやるには多すぎる仕事量だと思うわ。私のことなんて教える時間はないでしょ」
「リリー為ならいくらでも時間は作る。それに、アイツと一緒にいるのは許せない」
ぷいっと前を向いてしまう。嘘みたい。もしかして、嫉妬してる?大丈夫って言ったのに……。
「だから、心配するようなことはないから……」
「いや。あいつのさっきの言葉は本心だ。嘘じゃないことくらいはすぐにわかった。アイツはリリーが好きなんだよ」
「……ええ!?」
赤くなって下を向いた私を見て、セシルは私を抱き寄せた。
「早く結婚しよう。誰にもリリーを取られたくない……」
「それはいいけど、乗馬は習いに行きます。結婚するって言ったんだし、心配ないからね。安心して」
腕の中の私の顔をちろりと見る。
「いや、実は別な理由もあって心配なんだ。館の周りに結界を張ろう。誰も入れないように……」