3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜
こうして、少し歩いた先にある北欧ブランドのインテリアショップへと足を運ぶと、私は一人食卓用のお皿と小鉢を見ながらどれがいいかとその場で考え込む。
ここの商品は、以前同僚の方から海外旅行のお土産として小皿を頂き、そのデザインがシンプルでありつつも可愛く、とてもお洒落だったので一目で気に入った。
それ以降、幾つか買い揃えてみたいと思っていたけど、国内には店舗数が少なく断念していたところ、ここのショッピングモールで取り扱っている事が分かり、この買い物が今日の目玉と言っても過言ではなかった。
だから、選ぶのに時間が掛かりそうだったので、それならば楓様もご一緒にと思ったけど、なかなか現実は上手くいかず溜息が漏れてしまう。
「……どれで迷ってるんだよ」
その時、背後から突然楓様の顔が伸びてきて、思わず大きく肩を振るわせてしまった。
「か、楓様?外で待っていらっしゃったのでは?」
「待つのにも飽きたからな。……で、何を買うんだ?」
まさか、ここで付き合って下さるとは思ってもいなかったので、不意を突かれた私は鼓動が段々と早くなる中、ようやく夢が叶う事が出来、不貞腐れながら商品を一緒に眺めている楓様の横顔を見ていると、つい自然と笑顔になってしまう。
「楓様、パスタ皿は底が厚い方がよろしいですか?それとも平べったい方が見栄えがよろしいですかね?」
「どっちにしたって味は変わらないから、どうでもいいわ。強いていうなら場所を取らないやつ」
「それなら色はどれがいいと思います?私は赤と青で迷っていて」
「青の方が汎用性あるんじゃないのか?」
何だかんだ仰っても、段々と真面目に私のお買い物に付き合って下さるお姿に私は幸せを噛み締めがら、このひと時を存分に楽しむ。
「……あ。このグラスシンプルでいいじゃん。この前割ったし、丁度いいからここで買ってくか」
すると、楓様自らも商品を選び出した事に嬉しくなり、高揚とした気持ちに酔いしれていく私は、自分でも思がけない行動に出てしまう。
「それなら、私もお揃いのを買います」
「なんで?」
「いけませんか?」
一体何処からこんな大胆な事が言える勇気が沸いてくるのやらと我ながら驚いてはいるけど、私は楓様の怪訝な視線を受けても全く動じる事なく、毅然とした態度で訊き返す。
「…………いや。好きにすれば」
それから暫く返答がないかと思いきや、私から視線を外してポツリと呟くその表情は、何処となく満更でもないように思えるのは気のせいだろうか。
何はともあれ、無理やりではあるものの、お揃いの物を買える事に胸を躍らせていると、楓様はグラスを二つ手に持ちレジへと向かい始める。
「あれ?二つ買われるんですか?」
一人暮らしだと聞いている為てっきり一つかと思っていた私は、余計な事かと思いつつも、つい尋ねてしまう。
「何言ってんだ?お前も欲しいんだろ?」
そんな私の質問をきょとんとした顔で聞き返してくる楓様の不意打ちな反応に衝撃を受け、私はその場で固まってしまった。
そうこうしている内に、楓様はお会計を済ませて戻ってくると、何食わぬ顔で私に小さな紙袋を差し出してきた。
「今日一付き合ってくれるお礼だと思って受けとれ」
お揃いの物を買えるだけで十分だったのに、まさかのプレゼントまでして頂けるなんて夢にも思わなかった私は、嬉しさのあまり震える手で紙袋をゆっくりと受け取る。
「あ……、ありがとうございます……」
その瞬間、感極まって涙腺が緩みだした私は涙目になり始めていき、お礼を述べる声まで震えてきた。
「は?こんなグラス一つで泣くほどか?お前どんだけ免疫ないんだよ」
そんな私を見て心底呆れたような表情で憎まれ口を叩かれてしまったけど、不快感など一切沸かず、むしろその言葉さえも嬉しく感じ、私は何とか涙を零さないよう必死に堪えながら、口元を緩ませたのだった。
ここの商品は、以前同僚の方から海外旅行のお土産として小皿を頂き、そのデザインがシンプルでありつつも可愛く、とてもお洒落だったので一目で気に入った。
それ以降、幾つか買い揃えてみたいと思っていたけど、国内には店舗数が少なく断念していたところ、ここのショッピングモールで取り扱っている事が分かり、この買い物が今日の目玉と言っても過言ではなかった。
だから、選ぶのに時間が掛かりそうだったので、それならば楓様もご一緒にと思ったけど、なかなか現実は上手くいかず溜息が漏れてしまう。
「……どれで迷ってるんだよ」
その時、背後から突然楓様の顔が伸びてきて、思わず大きく肩を振るわせてしまった。
「か、楓様?外で待っていらっしゃったのでは?」
「待つのにも飽きたからな。……で、何を買うんだ?」
まさか、ここで付き合って下さるとは思ってもいなかったので、不意を突かれた私は鼓動が段々と早くなる中、ようやく夢が叶う事が出来、不貞腐れながら商品を一緒に眺めている楓様の横顔を見ていると、つい自然と笑顔になってしまう。
「楓様、パスタ皿は底が厚い方がよろしいですか?それとも平べったい方が見栄えがよろしいですかね?」
「どっちにしたって味は変わらないから、どうでもいいわ。強いていうなら場所を取らないやつ」
「それなら色はどれがいいと思います?私は赤と青で迷っていて」
「青の方が汎用性あるんじゃないのか?」
何だかんだ仰っても、段々と真面目に私のお買い物に付き合って下さるお姿に私は幸せを噛み締めがら、このひと時を存分に楽しむ。
「……あ。このグラスシンプルでいいじゃん。この前割ったし、丁度いいからここで買ってくか」
すると、楓様自らも商品を選び出した事に嬉しくなり、高揚とした気持ちに酔いしれていく私は、自分でも思がけない行動に出てしまう。
「それなら、私もお揃いのを買います」
「なんで?」
「いけませんか?」
一体何処からこんな大胆な事が言える勇気が沸いてくるのやらと我ながら驚いてはいるけど、私は楓様の怪訝な視線を受けても全く動じる事なく、毅然とした態度で訊き返す。
「…………いや。好きにすれば」
それから暫く返答がないかと思いきや、私から視線を外してポツリと呟くその表情は、何処となく満更でもないように思えるのは気のせいだろうか。
何はともあれ、無理やりではあるものの、お揃いの物を買える事に胸を躍らせていると、楓様はグラスを二つ手に持ちレジへと向かい始める。
「あれ?二つ買われるんですか?」
一人暮らしだと聞いている為てっきり一つかと思っていた私は、余計な事かと思いつつも、つい尋ねてしまう。
「何言ってんだ?お前も欲しいんだろ?」
そんな私の質問をきょとんとした顔で聞き返してくる楓様の不意打ちな反応に衝撃を受け、私はその場で固まってしまった。
そうこうしている内に、楓様はお会計を済ませて戻ってくると、何食わぬ顔で私に小さな紙袋を差し出してきた。
「今日一付き合ってくれるお礼だと思って受けとれ」
お揃いの物を買えるだけで十分だったのに、まさかのプレゼントまでして頂けるなんて夢にも思わなかった私は、嬉しさのあまり震える手で紙袋をゆっくりと受け取る。
「あ……、ありがとうございます……」
その瞬間、感極まって涙腺が緩みだした私は涙目になり始めていき、お礼を述べる声まで震えてきた。
「は?こんなグラス一つで泣くほどか?お前どんだけ免疫ないんだよ」
そんな私を見て心底呆れたような表情で憎まれ口を叩かれてしまったけど、不快感など一切沸かず、むしろその言葉さえも嬉しく感じ、私は何とか涙を零さないよう必死に堪えながら、口元を緩ませたのだった。