3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜
予想に反してあっけなく終わってしまった楓様のお買い物に、私は若干意気消沈しながら次の目的地へと向かう。
後残るは私のお買い物に付き合って頂くだけなので、ああは言ったもののやはり申し訳ない気持ちが残る。
しかし、楓様は特に気にする様子もなく、道すがら観察するような目で周囲を見渡したり、何か考え込んだりしていらしゃった。
私はお仕事のお邪魔にならないよう、無闇に話し掛けるようなことはせず、ただ黙って彼を見守る。
そんな中、女性客とすれ違う度に年代問わず熱い眼差しを向けられ、当の本人は全く気付いていないご様子だけど、私は先程から楓様のモテっぷりにずっと圧倒され続けていた。
毎回ホテル内でしか接する機会がなかったのでよく分からなかったけど、楓様に対して向けられる世間一般の目とはこれ程のものであったのかと。改めて驚かされてしまい、思わず生唾を飲み込んでしまう。
それから、レディースショップエリアまで辿り着くと、私は暫く新調してこなかった出勤時用の上着を選ぶために店内を見て回っている中、楓様は入り口付近で私の買い物が終わるのをひたすら待っていて下さっていた。
しかも、レディースショップだけあり、店員の方々や女性客達から注目を浴び続けていて、流石の楓様もその熱い視線に気付いたようで、とても煙たそうな顔をしながら明後日の方向を見つめている。
それが余計にプレッシャーを感じ、私はもう少し見て回りたい気持ちもあったけど、粗方目星を付けたものの中から急いで一着を選び出し、レジへと向かったのだった。
「お待たせして申し訳ございません」
お会計が終わり、慌てて外で待っていた楓様の元へと駆け寄ると、私は軽く頭を下げる。
「やっぱり店舗でのお買い物は時間がかかりますね。他のお店の商品を見比べたりもしなくてはいけないので。各店舗で別店舗の商品を検索出来れば少しは楽なんでしょうけど」
人によってはそれが楽しいという方もいるけど、私はそこまでではないので、服選びにもこうして時間が掛かることが億劫になり、ショッピングモールにはあまり足を運ぶ事がない。
予め調べれば済む話なのだけど、こういう時は行き当たりばったりの為、私はそこまでしない。
なので、各店舗を見て回らなくても、気になった商品をその場で詳細に検索出来るシステムがあれば効率的にお買い物が出来るのにと、ついものぐさな理想を語ってしまった。
「……なるほどな……」
すると、楓様は急に真剣な面持ちへと変わると、顎に手あてながら暫く考え込んでしまった。
「楓様、どうかなさいました?」
なかなか反応がないので心配になった私は、恐る恐る彼の顔を覗き込む。
「いや、何でもない。それで、次はどこに行くんだよ」
しかし、楓様は何事もなかったように顔を上げると、次なる目的地を促されたので、私はエリアマップを取り出して広げてみせた。
「今度はここのインテリアショップに行ってみてもよろしいですか?食器を買いたくて。……それで……楓様にも一緒に選んで頂きたいのですが……」
それから、先程叶うことが出来なかった事にもう一度チャレンジしたいと思い、勇気を振り絞って震える心を抑えながらお願いしてみる。
「めんどくさ」
けど、間髪入れずに表情を歪ませながら吐き捨てるように仰られた言葉によって、またもやその夢は打ち砕かれてしまい、私は気付かれないよう密かに肩を落とした。
後残るは私のお買い物に付き合って頂くだけなので、ああは言ったもののやはり申し訳ない気持ちが残る。
しかし、楓様は特に気にする様子もなく、道すがら観察するような目で周囲を見渡したり、何か考え込んだりしていらしゃった。
私はお仕事のお邪魔にならないよう、無闇に話し掛けるようなことはせず、ただ黙って彼を見守る。
そんな中、女性客とすれ違う度に年代問わず熱い眼差しを向けられ、当の本人は全く気付いていないご様子だけど、私は先程から楓様のモテっぷりにずっと圧倒され続けていた。
毎回ホテル内でしか接する機会がなかったのでよく分からなかったけど、楓様に対して向けられる世間一般の目とはこれ程のものであったのかと。改めて驚かされてしまい、思わず生唾を飲み込んでしまう。
それから、レディースショップエリアまで辿り着くと、私は暫く新調してこなかった出勤時用の上着を選ぶために店内を見て回っている中、楓様は入り口付近で私の買い物が終わるのをひたすら待っていて下さっていた。
しかも、レディースショップだけあり、店員の方々や女性客達から注目を浴び続けていて、流石の楓様もその熱い視線に気付いたようで、とても煙たそうな顔をしながら明後日の方向を見つめている。
それが余計にプレッシャーを感じ、私はもう少し見て回りたい気持ちもあったけど、粗方目星を付けたものの中から急いで一着を選び出し、レジへと向かったのだった。
「お待たせして申し訳ございません」
お会計が終わり、慌てて外で待っていた楓様の元へと駆け寄ると、私は軽く頭を下げる。
「やっぱり店舗でのお買い物は時間がかかりますね。他のお店の商品を見比べたりもしなくてはいけないので。各店舗で別店舗の商品を検索出来れば少しは楽なんでしょうけど」
人によってはそれが楽しいという方もいるけど、私はそこまでではないので、服選びにもこうして時間が掛かることが億劫になり、ショッピングモールにはあまり足を運ぶ事がない。
予め調べれば済む話なのだけど、こういう時は行き当たりばったりの為、私はそこまでしない。
なので、各店舗を見て回らなくても、気になった商品をその場で詳細に検索出来るシステムがあれば効率的にお買い物が出来るのにと、ついものぐさな理想を語ってしまった。
「……なるほどな……」
すると、楓様は急に真剣な面持ちへと変わると、顎に手あてながら暫く考え込んでしまった。
「楓様、どうかなさいました?」
なかなか反応がないので心配になった私は、恐る恐る彼の顔を覗き込む。
「いや、何でもない。それで、次はどこに行くんだよ」
しかし、楓様は何事もなかったように顔を上げると、次なる目的地を促されたので、私はエリアマップを取り出して広げてみせた。
「今度はここのインテリアショップに行ってみてもよろしいですか?食器を買いたくて。……それで……楓様にも一緒に選んで頂きたいのですが……」
それから、先程叶うことが出来なかった事にもう一度チャレンジしたいと思い、勇気を振り絞って震える心を抑えながらお願いしてみる。
「めんどくさ」
けど、間髪入れずに表情を歪ませながら吐き捨てるように仰られた言葉によって、またもやその夢は打ち砕かれてしまい、私は気付かれないよう密かに肩を落とした。