3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜
それから自分でかなり稼げるようになり、ようやくあの家を出てからは、金も地位も段々と手に入れられるようになっていき、昇任する毎に自分の価値というものが顕著に現れるようになった。

周りは俺を財閥の御曹司として扱うので、表では蔑むような目を向けてくる人間は誰もいないし、口答えをする奴もいない。……白鳥を抜かせば。

ついでに、気安く近付く人間もいないので、俺にとって御曹司という肩書きは何とも好都合だった。

けど、女は構わず寄ってくるので、目的のために何人か抱いて利用したりもした。


親父の中では兄貴に跡を継がせたい気持ちが強いのだろうけど、実績の差を見せ付ければそんな事も言ってられないだろう。

だから、その為には手段を選ばない。

人を裏切ることだって、俺にとっては容易いことだ。

そうしながら、どんどんと上の地位に上り詰めると、その内親父が俺に関心を持ち始めるようになり、兄貴は会う度に敵対心を示すようになっていく。


これこそが、まさに思い描いていたもの。

まだまだ実現には程遠いけど、確実に計画通りに進んでるので、その為なら俺は何だってする。
人生を捧げてでも、俺はこの会社の代表になってみせる。

その目的が達成出来るのであれば、それ以外のものなんて何もいらない。

何なら、このままずっと一人でいい。

人の温もりというものを忘れ、復讐に取り憑かれたこの俺が、誰かと寄り添うなんて出来るはずもないから……。
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