3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜
こうして、一通り準備が整ったので、私は持ってきたエプロンを身に付けて本格的に料理を始めるため、必要な食材を冷蔵庫から取り出そうと手を伸ばした時だった。
すぐ近くに人の気配がしたかと思うと、突然後ろから楓様は私を抱き締めてきて、不意を突かれた私は軽い悲鳴をあげてしまった。
「か、楓様!?」
しかも、咄嗟のことについ呼び方が元に戻ってしまい、私はいけないと慌てて口を片手で抑える。
「……早く慣れろよな」
「も、申し訳ございません」
後ろから抱き締められているので、楓様の表情は分からないけど、声からしてとても不服そうな心境であることはよく伝わったので、私は赤面状態になりながら即座に謝った。
「どうされましたか?」
それから少し気持ちが落ち着くと、まるで甘えるように私の首元に顔を埋めてくる楓様の仕草に、何だか母性本能をくすぐられてしまい、優しく問いかけてみる。
「……なんか、エプロン姿が良くて……つい」
すると、少し照れながらも戸惑うような目を向けて仰られた楓様らしからぬ台詞に、私は思いっきり心臓を鷲掴みにされてしまい、恥ずかしいやら、嬉しいやらで全身が熱くなり始めていく。
きっと家庭的な雰囲気が、彼にとっては凄く新鮮なのかもしれない。
そう思うと、どんどんと愛しさが溢れ出て来て。このまま楓様の温もりに包まれたくて、暫くされるがままに身を委ねる。
「楓さん、そろそろお昼ご飯の準備をしなければ……」
けど、もうすぐ正午を迎える時間になるので、それまでには完成させたい為、早く支度を始めねばと思うものの、まだ離れたくない気持ちに、名残り惜しい目で彼を見た。
「手伝うことある?」
楓様も少し不満げな表情で渋々私から離れると、これまた願ってもいない申し出に、一瞬二人でキッチンに立っている光景が脳裏に浮かび、胸が高鳴る。
……けど。
「お気持ちはありがだいですが、大丈夫ですよ。楓さんはゆっくり休んでいて下さい」
本当は楓様にも出来るような事をちょっと考えてはみたけど、やっぱり休日には十分な休息をとって欲しくて、私はやんわりと微笑み首を横に振った。
「それじゃあ、何かあったら声掛けて」
そう仰ると、楓様は一旦リビングを出て行くと、程なくしてノートパソコンと書類を持って戻られ、キッチンの前にあるダイニングテーブルに座って作業を始めた。
まるでホテルで見ているのと全く同じ光景に、私はシンクで野菜を洗いながら密かに肩を落とす。
「お休みの日もお仕事なんですね」
何となくそんな気はしていたけど、今日くらいは
しっかりと休んで欲しかったのに。相変わらず仕事熱心な姿に圧倒されつつも、少し残念な気持ちもあって、つい不満が漏れてしまう。
「たまにな。特に今は取り急ぎ進めたい案件があるから」
そう仰ると、楓様はいつになく真剣な表情で書類を見てパソコンのキーボードを打ち始めたので、私はこれ以上邪魔しないよう、自分も作業に集中することにした。
すぐ近くに人の気配がしたかと思うと、突然後ろから楓様は私を抱き締めてきて、不意を突かれた私は軽い悲鳴をあげてしまった。
「か、楓様!?」
しかも、咄嗟のことについ呼び方が元に戻ってしまい、私はいけないと慌てて口を片手で抑える。
「……早く慣れろよな」
「も、申し訳ございません」
後ろから抱き締められているので、楓様の表情は分からないけど、声からしてとても不服そうな心境であることはよく伝わったので、私は赤面状態になりながら即座に謝った。
「どうされましたか?」
それから少し気持ちが落ち着くと、まるで甘えるように私の首元に顔を埋めてくる楓様の仕草に、何だか母性本能をくすぐられてしまい、優しく問いかけてみる。
「……なんか、エプロン姿が良くて……つい」
すると、少し照れながらも戸惑うような目を向けて仰られた楓様らしからぬ台詞に、私は思いっきり心臓を鷲掴みにされてしまい、恥ずかしいやら、嬉しいやらで全身が熱くなり始めていく。
きっと家庭的な雰囲気が、彼にとっては凄く新鮮なのかもしれない。
そう思うと、どんどんと愛しさが溢れ出て来て。このまま楓様の温もりに包まれたくて、暫くされるがままに身を委ねる。
「楓さん、そろそろお昼ご飯の準備をしなければ……」
けど、もうすぐ正午を迎える時間になるので、それまでには完成させたい為、早く支度を始めねばと思うものの、まだ離れたくない気持ちに、名残り惜しい目で彼を見た。
「手伝うことある?」
楓様も少し不満げな表情で渋々私から離れると、これまた願ってもいない申し出に、一瞬二人でキッチンに立っている光景が脳裏に浮かび、胸が高鳴る。
……けど。
「お気持ちはありがだいですが、大丈夫ですよ。楓さんはゆっくり休んでいて下さい」
本当は楓様にも出来るような事をちょっと考えてはみたけど、やっぱり休日には十分な休息をとって欲しくて、私はやんわりと微笑み首を横に振った。
「それじゃあ、何かあったら声掛けて」
そう仰ると、楓様は一旦リビングを出て行くと、程なくしてノートパソコンと書類を持って戻られ、キッチンの前にあるダイニングテーブルに座って作業を始めた。
まるでホテルで見ているのと全く同じ光景に、私はシンクで野菜を洗いながら密かに肩を落とす。
「お休みの日もお仕事なんですね」
何となくそんな気はしていたけど、今日くらいは
しっかりと休んで欲しかったのに。相変わらず仕事熱心な姿に圧倒されつつも、少し残念な気持ちもあって、つい不満が漏れてしまう。
「たまにな。特に今は取り急ぎ進めたい案件があるから」
そう仰ると、楓様はいつになく真剣な表情で書類を見てパソコンのキーボードを打ち始めたので、私はこれ以上邪魔しないよう、自分も作業に集中することにした。