君にキュンして恋をした
♡♡♡
「まつむらーっ!」
「キャー!」…
教室に戻る途中。
上からそんな声が降ってきた。顔を上げると
3階の窓から先輩達が綾斗くんに
向けて手を振っていた。
わぁ、すごい。
その光景はまるでライブ会場のよう。
「ファンサ、しなくていいのかよ」
「なんだよ、ファンサって」
宮坂くんにからかわれている。
しかし、先輩達には一切目もくれず
スタスタと歩いていく綾斗くん。
クールだなぁ。こういう時の綾斗くんは
わたしが知ってる綾斗くんとは全然違う……。
まるで別人みたい。
やっぱり人気なんだなぁ……。と、
しみじみと思い知らされた。
「ほんっと…、年下にキャー、とか、
恥ずかしくないのかね」
隣を歩く奈子ちゃんはすっかりあきれ顔。
「あはは…、」
なんだろう…。
キャー、キャー、言われてる綾斗くん見るの。
これが初めてじゃないのに、なんか今…
ちょっと嫌、かも…。