転生アラサー腐女子はモブですから!?
「師匠、遅くなり申し訳ありませんでした!」
何とか頭の中の煩悩を打ち払い、急ぎ練習着に着替え女性脱衣所を飛び出したアイシャは、少年達の練習が終わり、手持ち無沙汰でアイシャを待っていた師匠の元へと駆け寄る。
(あぁぁ、青髪の彼がいるよぉ)
先ほどの光景が脳裏をチラついて、まともに青髪少年の顔が見られない。
(き、気まずい……)
「アイシャ! 今日は君に紹介したい人がいる」
師匠の斜め後ろに立っていた青髪少年が、アイシャへと鋭い視線を投げつけ一歩近づく。
(睨んでるぅ、睨んでるよぉぉ。さっきのこと、怒ってるのかなぁ?)
「コイツはナイトレイ侯爵家のキースだ。因みに俺の年の離れた弟だ。君の練習相手に丁度良いと思ってな」
「えっ!? 師匠の弟君でいらっしゃいますか。でも師匠はマクレーン伯爵家では? 今、ナイトレイ侯爵家って言いませんでしたか?」
「あぁ、俺はマクレーン伯爵家に婿入りしたからな。まぁ~そんな事は、どうでもいい。アイシャも、だいぶ基礎が出来てきたから、そろそろ実践をとな。コイツの腕は騎士団でも通用する。良い勉強になるだろう」
「そうでしたのぉ。あ、あの……、わたくしリンベル伯爵家のアイシャと申します。練習にお付き合い頂き、ありがとうございます」
「………」
(ガン無視かよ)
苦笑をもらす師匠が二人を執りなすが、青髪美少年は、目すら合わせようとしない。
「――――仕方ない。二人とも構えて。では、はじめ!!」
一瞬だった。
気づいた時には、数メートル吹っ飛ばされ、地面へ背中から叩きつけられていた。ゆっくりと近づいて来た青髪に真上から睨みつけられ、殺気を帯びた視線にさらされアイシャの息が止まる。
「遊びで剣を握るならさっさと辞めろ。兄上に迷惑だとわからないのか。お前の存在自体が目障りなんだよ!!」
憎悪のこもった目で吐き捨てられた言葉が、アイシャの胸に突き刺さる。
背を向け立ち去る青髪に代わり、倒れたアイシャを師匠が優しく抱き起こす。
「大丈夫か?」
「師匠、今日の練習はこれにて失礼致します」
アイシャは、涙を堪え、それだけ言うと師匠の許可も得ず駆け出した。
何とか頭の中の煩悩を打ち払い、急ぎ練習着に着替え女性脱衣所を飛び出したアイシャは、少年達の練習が終わり、手持ち無沙汰でアイシャを待っていた師匠の元へと駆け寄る。
(あぁぁ、青髪の彼がいるよぉ)
先ほどの光景が脳裏をチラついて、まともに青髪少年の顔が見られない。
(き、気まずい……)
「アイシャ! 今日は君に紹介したい人がいる」
師匠の斜め後ろに立っていた青髪少年が、アイシャへと鋭い視線を投げつけ一歩近づく。
(睨んでるぅ、睨んでるよぉぉ。さっきのこと、怒ってるのかなぁ?)
「コイツはナイトレイ侯爵家のキースだ。因みに俺の年の離れた弟だ。君の練習相手に丁度良いと思ってな」
「えっ!? 師匠の弟君でいらっしゃいますか。でも師匠はマクレーン伯爵家では? 今、ナイトレイ侯爵家って言いませんでしたか?」
「あぁ、俺はマクレーン伯爵家に婿入りしたからな。まぁ~そんな事は、どうでもいい。アイシャも、だいぶ基礎が出来てきたから、そろそろ実践をとな。コイツの腕は騎士団でも通用する。良い勉強になるだろう」
「そうでしたのぉ。あ、あの……、わたくしリンベル伯爵家のアイシャと申します。練習にお付き合い頂き、ありがとうございます」
「………」
(ガン無視かよ)
苦笑をもらす師匠が二人を執りなすが、青髪美少年は、目すら合わせようとしない。
「――――仕方ない。二人とも構えて。では、はじめ!!」
一瞬だった。
気づいた時には、数メートル吹っ飛ばされ、地面へ背中から叩きつけられていた。ゆっくりと近づいて来た青髪に真上から睨みつけられ、殺気を帯びた視線にさらされアイシャの息が止まる。
「遊びで剣を握るならさっさと辞めろ。兄上に迷惑だとわからないのか。お前の存在自体が目障りなんだよ!!」
憎悪のこもった目で吐き捨てられた言葉が、アイシャの胸に突き刺さる。
背を向け立ち去る青髪に代わり、倒れたアイシャを師匠が優しく抱き起こす。
「大丈夫か?」
「師匠、今日の練習はこれにて失礼致します」
アイシャは、涙を堪え、それだけ言うと師匠の許可も得ず駆け出した。