転生アラサー腐女子はモブですから!?
「その場に居たのはキースとお前だけだったのか?」
「いいえ。王家の子飼いとウェスト侯爵家のリアムも居ました。おそらくどちらも気付いているかと思います」
「よりによってその二家とは……、情勢が大きく動くな。アイシャ嬢とキースの関係は?」
「最悪です。二人で話したことで、キースのアイシャ嬢に対する見方は大きく変わりましたが、アイシャ嬢はおそらくキースを嫌っているでしょうね」
「かなりマズい状況であるなぁ。どうにか二人の仲を進展させる猶予を作らねばならないな」
「今の段階では、ウェスト侯爵家のリアムが一歩リードでしょうね。アイツはアイシャに剣をずっと教えていましたから」
「はぁ!? 何だそれは……」
「申し訳ありません。まさか、キースの時代に白き魔女が復活するとは思っておりませんで」
「まぁ、無理もない。最後の魔女が逝ってから数百年、一度たりとも、そんな兆候なかったのだからな。さて、どうしたものか。ルイス、お前はどう思う? 王家はどう動くか」
「そうですね。王家に、アイシャを娶る権利はありません。しかし、このまま黙ってはいないでしょうね。ある意味、一番厄介な存在です。『白き魔女の保護役』の立場を利用し、婚約に難癖をつけるのは可能でしょう」
「そうだな。『古の契約』にのっとり、白き魔女の婚約には王家の承認を必要とするか」
「はい。それと、もう一つ。ノア王太子の婚約者が決まっていないのが気がかりです」
「王家もまた、アイシャを狙ってくると」
「えぇ、必ずどこかで仕掛けてくるでしょう。ただ、今はウェスト公爵家が一歩リードしている状況です。ひとまず王家と手を組み、ウェスト侯爵家が抜け駆け出来ないように手を打つのが、得策かと」
「ふむ、ルイスよ。至急陛下へ手紙を届けよ!」
「かしこまりました」
(さて、アイシャ争奪戦の行方はどうなるのか?)
アイシャへの気持ちを少しずつ自覚しつつあるキースへと心の中でエールを送りながら、ルイスは団長室を後にした。
「いいえ。王家の子飼いとウェスト侯爵家のリアムも居ました。おそらくどちらも気付いているかと思います」
「よりによってその二家とは……、情勢が大きく動くな。アイシャ嬢とキースの関係は?」
「最悪です。二人で話したことで、キースのアイシャ嬢に対する見方は大きく変わりましたが、アイシャ嬢はおそらくキースを嫌っているでしょうね」
「かなりマズい状況であるなぁ。どうにか二人の仲を進展させる猶予を作らねばならないな」
「今の段階では、ウェスト侯爵家のリアムが一歩リードでしょうね。アイツはアイシャに剣をずっと教えていましたから」
「はぁ!? 何だそれは……」
「申し訳ありません。まさか、キースの時代に白き魔女が復活するとは思っておりませんで」
「まぁ、無理もない。最後の魔女が逝ってから数百年、一度たりとも、そんな兆候なかったのだからな。さて、どうしたものか。ルイス、お前はどう思う? 王家はどう動くか」
「そうですね。王家に、アイシャを娶る権利はありません。しかし、このまま黙ってはいないでしょうね。ある意味、一番厄介な存在です。『白き魔女の保護役』の立場を利用し、婚約に難癖をつけるのは可能でしょう」
「そうだな。『古の契約』にのっとり、白き魔女の婚約には王家の承認を必要とするか」
「はい。それと、もう一つ。ノア王太子の婚約者が決まっていないのが気がかりです」
「王家もまた、アイシャを狙ってくると」
「えぇ、必ずどこかで仕掛けてくるでしょう。ただ、今はウェスト公爵家が一歩リードしている状況です。ひとまず王家と手を組み、ウェスト侯爵家が抜け駆け出来ないように手を打つのが、得策かと」
「ふむ、ルイスよ。至急陛下へ手紙を届けよ!」
「かしこまりました」
(さて、アイシャ争奪戦の行方はどうなるのか?)
アイシャへの気持ちを少しずつ自覚しつつあるキースへと心の中でエールを送りながら、ルイスは団長室を後にした。