【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

 ジェラルド様が笑えば、そこには女神が作り上げた完璧な美貌があった。
 それは、きっと神話の中にしか出てこないような、神秘的な美しさだ。

「……君は何もしなくて良いんだ」
「やはりお飾りの妻!」
「違う……!」

 ジェラルド様はなぜか、がくりとうなだれて、私を抱き上げたまま歩き出す。

「歩けますよ」
「少しだけ、許してくれ。それよりも、安定しないから掴まってくれないか」
「えっ!? は、はい……」

 抱きつけば、ハーブの香りがほのかにした。
 口から飛び出しそうな心臓。
 それを紛らわせようと、私は、ジェラルド様との出会いと、婚約破棄までの日々に思いをはせる。

 ──そこには、私の一方的な片思いだけがあった。
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