【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

 そう言った侍女のレテリエは、やはり有無を言わさない印象だ。

「さあ、参りますよ!」
「あ、あの!?」

 こうして私は、クローゼットルームに押し込まれる。そう、煌びやかすぎるクローゼットルームに。

「なに、これ……」

 そこには、すでに色とりどりのドレスが並んでいた。しかも、その一つ一つが、王妃様がお召しになるものより、豪華にすら見える。

「もちろんすべて、奥様のドレスです」
「え? なぜ!?」
「ジェラルド・ラーベル王弟殿下の奥方、あるいはラーベル公爵の奥方になるというのは、つまりこういうことなのです」
「えっ、えっ!?」

 どういうことなのだろう。
 王太子の婚約者として過ごしていた日々でも、こんなに豪華なドレスを着たことなんてなかった。

 いや、ドレスがワインに汚されたり、靴に泥を塗られたあとは、このレベルのドレスを着ていたかもしれない。それは、ジェラルド様からの贈り物で、つまりこの部屋もそういうことなのだろうか。

「……えっ?」
「こちらなんていかがでしょう? 銀の竜の鱗を加工したビーズを縁飾りにあしらったドレスです」
 
 たぶん、そのシリーズの靴をすでに持っています……。とは、流石に言い出せなかった。
 銀色の美しい靴は、もう小さくて履くことができないけれど、今でも大切な宝物だ。

 ジェラルド様が下さったものだとわかった今、私の中では、国宝級の代物だ。
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