【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

 ゆるく巻かれた後れ毛が、そっと耳にかけられる。
 まっすぐに見つめられれば、羞恥のあまりすぐに目をそらしたくなるけれど、それはグッとこらえる。

「……ずっと好きでした」
「ああ、私もだよ。幼い君を見守りながら、それでもきっと……青い光が揺れる記憶の奥底にいる大人になった君に会える日を待ち望んでいた」
「……ジェラルド様?」
「今ならわかる。……待っていたんだ、十五歳のあの日から」

 その言葉の意味は、わからない。けれど、一つわかるのは二人の年は離れたままで、きっと、ずっとジェラルド様は私のことを子ども扱いし続けるのだろうということだ。
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