【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
とても強いって知っているけれど、生身の人間に絶対なんてない。
それを隠して笑うジェラルド様を子ども心に、こうして抱きしめたかった。
ふと、ジェラルド様の首元に、完璧すぎる正装にそぐわない古い紐が下がっていることに気が付く。
千切れてしまったのか、結び目が二つある、見覚えがありすぎるそれを引き出す。
「あ…………」
「こ、これ。あのときの」
それは、ジェラルド様が怪我をしていたことに気が付いた私が、家に駆け戻って、慌てて作った幼稚なお守りだ。
明らかに子どもが作ったとわかる不器用なお守りには、あの日の私の祈りと願いが込められている。
「ずっと、持っていて下さった……?」
「……片時も離さず」
「えっ、私のこと、愛してたって……」
「君はずっと子どもだったから、その言葉は語弊があるが……」
ため息が聞こえる。
抱きしめていた私の体が、抱きしめ返される。