a Piece of Cake.
皆まで聞くな、とわたしは笑顔を返して箱を受け取った。
後ろからお客さんが入ってくる。それに夕美さんが「いらっしゃいませ」と声をかけて、わたしたちはお店を出た。
「ありがとうございました、またのご来店をお待ちしてます」
背中にその言葉を受け、駅の方へ歩いていく。
「イリちゃん? どうかした?」
「今の、夕美さん」
「あ、うん。三輪さん」
「たぶん、聡現くんの奥さん」
「え! 聡現くん、既婚者だったの」
「聡現くんも三輪だし、世の中そんなに三輪さんが溢れてるとは思えない」
確かに、と湊ちゃんが納得する。