a Piece of Cake.

何か言いたげな視線を送られ、何か、とそれを返す。

「営業スマイルくらいします」
「え、見たことないよ」
「いつもお買い上げありがとうございまーす」
「スマイルどこかな?」
「レモネードです」

グラスに入った透明に近い液体を見る。ご丁寧に、ミントが浮かべられていた。

「いただきます」

一口飲めば、口の中に爽やかが広がる。甘さもしつこくなく、暑さに疲れた時にとても効く。

「おいしい。三輪家に伝わるレモネード?」
「いや、兄が開発したレモネードです」

伝わってはいなかったらしい。

明らかに家族で住む大きさの家の天井を見上げる。都内に、うちの実家よりも大きい家。

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