a Piece of Cake.
「失礼ですが、ご両親は……?」
「今は海外にいます」
「ワールドワイドだ」
「子供を放って、好き勝手してますよ」
三人一緒にいるから心配も少ないんだろう、と予想する。
「あ、ケーキの感想だよね」
大分話が逸れてしまった。わたしは姿勢を直して、先程言いかけた続きから言う。
それを聡現くんは黒い手帳へとメモしていった。講義を聞く学生みたいに真面目だ。いや、そんな学生は少ないか、と思い直す。
「秋の味覚も今考えてるんですけど、なんかいまいちピンときてなくて」
「もう秋……!」
それもそうか。八月が終われば九月。
気温は秋じゃなさそうだけど。