a Piece of Cake.

その言葉に隣を見る。

「貴方が作ったの?」
「ええ、まあ」

彼は一緒に持ってきていたのか、こちらに缶紅茶を差し出した。

「まだビールあるから……」
「いや、つまみじゃないんで」

少し笑いながらまだ半分残っているビールと、紅茶が交換される。
ほんのり温かくて、胃に優しい感じがする。

それにまた泣けて、泣きながらケーキを食べる。

「わたし、振られたんです」
「あーなるほど」

八つ当たりのように口にする。

「重いって、もう耐えられないって振られました。新しい彼女もできたみたい。可愛くて、若くて、優しそうな」

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