a Piece of Cake.

にこりと微笑まれ、そのまま店の出口へと向おうとした。

「お買い上げありがとうございます」

営業スマイルを繕った聡現くんが扉を開けてくれる。

「送ってくる」
「え、ちょっと!」

扉を締めて、オープンの看板を中に入れてクローズへ変えた。キャップもコックコートを脱ぎ、腕に掛ける。

「……大丈夫なんですか?」
「もう閉店なので」

しれっと言って、聡現くんは歩き出す。

わたしが大丈夫か聞いたのはあの店員さんにきちんと説明しなくて大丈夫なのか、という話だ。

「何買ったんですか?」

そんなことを気にする素振りもなく、聡現くんは箱を見る。

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