a Piece of Cake.

明日の夜は勿論暇だけれど。

「どしたの？」
「木谷さんから、飲みに行こうって」

あの合コンのメッセージグループが作成され、その中から個人メッセージを送ったのだろう。

開いたのは良いものの、なんて返そうかと指が宙をうろうろする。

「行かないのー？」
「だって、あんなこと言ったのに。それに全然話してないのに」
「イリちゃんって結構慎重だよねえ、恋愛依存するのに」
「依存先は慎重に選ばないと」
「現実的だなあ」

楽しそうに湊ちゃんが笑う。

「まあでも、あんなこと言っても連絡してきてくれる相手ってことで評価したら？」