a Piece of Cake.

マドレーヌが戻ってくる。

「最近はちゃんと食べてるよ?」
「知ってる。この前奈緒さんとうどん食べた後、カレー屋行こうとしたんでしょう?」
「パフェにしたよ」
「イリちゃんの胃袋ってどこについてるの? なんでそんなに食べて肥らないの?」

脇腹や背中をつつかれ、ぎゃ! と身を捩った。

「肥らない分、燃費悪いから……」
「確かに。蓄えられないってことか」
「食費もかかるし」
「明日は木谷さんに全部奢ってもらいな」
「それは絶対できない」

わたしは首を振った。

そもそも、それほど仲の良くない人の前でいっぱい食べられない。

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