a Piece of Cake.
木谷さん以外に来ていた二人は、わたしの中では既に風化している。声も思い出せない。
「俺、忘れられてない?」
「実はぎりぎり、覚えてました」
「それは良かった。首藤さん、イタリアン好き?」
「大好きです!」
トマトとチーズ!
わたしのテンションは上がった。
木谷さんはきちんと話してみるときさくな人で、緊張と億劫はどこかへ吹っ飛んでいた。
木谷さんの連れて行ってくれたイタリアンバルのカウンターで乾杯をして、カプレーゼを食べた。絶品。
「トマト美味しいです、甘い」
「美味しそうに食べるね」