a Piece of Cake.

「ごちそうさまでした」

いつの間にか涙は止まっていて、お腹が満たされていた。

缶紅茶を飲み干す。

「お粗末様」
「なんか、元気でました。ありがとう」
「いえ。最近ずっとここで啜り泣いてるの見てたんで、成仏できてないんじゃないかと」
「幽霊……」
「人間で良かったです」

確かに、本当に幽霊だったら今頃成仏できていただろう。

「お金、払います。お幾らですか?」
「売れ残りなんで、要りません」
「でも……」
「遅いんで、今日は帰って歯磨いて寝てください」

箱を器用に折りたたみ、回収していく。

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