a Piece of Cake.

そう考えながら店の方を見ると、最初に店内で見た男性がいた。綺麗な顔の人。

あの人が、聡現くんのお兄さんだ。

パズルのピースが綺麗に嵌る。聡現くんを視線だけで探したけれど、居ない。

忙しいときに申し訳ない。いつも夕方には落ち着いているし、それくらいにまた来よう。

スーパーへ行って食材を買い込み、家に帰る途中で公園を通った。
わたしがぐずぐずと泣いていたあの公園だ。

夕方にもう一度お店へ行くと、列は解消されていた。
ケースの中のケーキも殆ど無くなっている。店内に入ると、いつもの女性店員が「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた。

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