a Piece of Cake.
「昨日とか」
「そんなの、わたしの父親だってもう言わないよ」
「父親じゃないんで言ってますね。その彼氏立候補の人に家まで送ってもらった方が良い」
木谷さんに家まで送ってもらう。
そんなことをしてもらうくらいなら、わたしが送りたい。あと家の場所も知りたい。
考えていたことを見透かされたのか、聡現くんがじっとこちらを見る。
「まあとりあえず、気を付けて帰ってください」
ケーキとマドレーヌを渡される。
この前別れた場所と同じ、コンビニの角。
「あ、ちょっと待ってて」
コンビニへ入り、暖かい缶紅茶を買って戻る。