悪魔のホームページ
~岬菜乃side~

何、コイツ。

橋美優奈が喋り出した途端に、世界が変わった。アイツに恥をかかせるために、監督に相談してわざわざ沢山のセリフを付け足したのにも関わらず、完璧を超えた演技をしてくる。

うっざ────

私はこういう人が1番嫌い。

あの桐生蒼とかいうやつも、気に入らないから追い詰めてみたのに、折角私が頂点を取れると思ったのに、3つも年下のこんなガキに────

「お疲れ様です」

馬鹿にしたような笑顔で私にそう言ってきた端美優奈に私は小さく舌打ちをする。

じゃあ次はコイツを──追い詰めてあげようかな

「優奈、本当に辞めるつもりなのでしょうか?」

橋美のマネージャーの声にふと耳を傾ける。

アイツが、辞める?

「さーな。ただ、アイツこの数日で何があったんだ?一気に雰囲気が変わったな。あの目は本気だぞ」

それに監督がそう答えていた。そういえば、橋美はなんでこないだの撮影を途中で抜け出したんだろう?

まぁ、面白いこと聞いちゃった。

ちょっと、使っちゃおうかな。
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