幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。

 外見で目立つ上に、成績が良く努力家で、人当たりも悪くないとなれば、当然モテる。特に高校時代のモテっぷりは凄かった。バレンタインには女子が教室の外にまで列を成し、卒業式当日には告白したい子の呼び出しが夕方まで続いた、という話を伝え聞いた。
 その中の何人かとは付き合ってもいたらしいけど、クラスが違っていたし、よくは知らない。
 ともあれ、客観的に見てこいつの容姿が注目に値するのは確かだった。さらに、就職してからは仕事をする中でつけたらしい自信がみなぎっていて、すれ違いざまに思わず振り返るレベル。
 たまに帰省が重なって見かけたり話したりする時に、一瞬だけど心臓が跳ね上がって緊張してしまう。今みたいに。
 「……そりゃあんたは男だから気にならないかもしれないけど、女にはやっぱ、暗黙の適齢期ってもんがあるのよ。出産とか考えるなら特に、三十五超えると婚活でかなり不利だし。そういうこと考えたら、この歳で彼氏すらいないとかって」
 「婚活すんの?」
 あんまり聞こえが良くない、と続けようとした言葉を、倫之の割り込みで断ち切られる。
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