幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。
『だったら、私と付き合うってのはおかしくない? 結婚を考える対象にならないでしょ』
『けどおまえだって、彼氏いないと同窓会でカッコつかないって思ってんだろ』
『……それは、否定しないけど』
『利害の一致ってやつだよ。お互い、これからそれ用の相手探すよりよっぽど良くない?』
私は周りからの好奇の目を、こいつは外見や肩書きで寄ってくる女性を避けられる、ということか。
『──それは、そうかもね』
と思って提案に乗る形になってしまったあの時の自分に、もうちょっとよく考えろと今は言いたい。
私がいま緊張しているのは、恋人同士を演じるからだけではないのだ。
「これ、おかしくない?」
「似合ってるって。何回も言っただろ」
倫之は迷いなく言うが、私は不安でしかたない。
こんな華やかな色とデザインのドレスなんか着たことないし、値段を思い出すと震える。
仕事用のスーツで行こうとした私に、もっと着飾った方がいいと言ったのはこいつだった。
『どうせ芝居するなら、それ用の衣装を着た方がいいだろ』