幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。

 それはそうかもしれないが、これからすることを思うと、緊張せずにはいられない。倫之と二人して、同窓生たち相手に、大芝居をしようというのだから。
 ……二ヶ月前、三月のあの日。
 呆然としている私に、倫之は提案の理由を説明した。
 『俺もいま相手いないしさ。フリーだってわかるとめんどくさい相手が寄ってくる可能性あるし、ちょうどいいんだよ』
 『めんどくさい?』
 『まあ、いろいろな』
 彼は濁したが、想像はつく。勤め先は一部上場の大企業、そこの営業部でトップの成績を出し続け、三十前で係長になり、来年あたりには課長への昇進もあり得る(本人談)──となれば、結婚における優良物件として狙う女性が少なからずいるだろう。
 『でもあんただったら会社で出会いもあるだろうし、中にはいい人もいるでしょ。付き合ったりする気ないの』
 『いい人だからって好きになれるとは限らないんだよ。俺だってこの歳になったら考えることもある。これから付き合うなら結婚を視野に入れた付き合いをしたい』
 思いがけず真面目に語られて、毒気を抜かれた。
 けれどすぐに、矛盾を感じて尋ねる。
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