幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。
恥ずかしさをこらえて伝えると、彼は喉をごくりと動かした。
「本当に?」
「うん」
「──わかった」
小さく息を吐いた倫之の、もう片方の手が、私の頬を包む。
ふ、と口の端が柔らかく上がった。
「由梨」
頬を撫でられながらの呼びかけに、心臓が疼いた。
そんな──優しく、少し切ない声で、愛おしさを抑えるように呼ばれたことはない。ましてやこんな行為のさなかに。
今まで付き合った相手は、乱暴にこそしなかったけれど、それほど優しいわけでもなかった。たいていの場合、自分の欲望を優先させるように事を進めて、私がもう少しゆっくりと訴えても痛がっても、自分が満足するまではほとんど気遣ってくれなかった。
けれど今の倫之は。
私の唇に、頬に、目の縁にそっとキスしながら、胸を覆った手をゆっくりと動かしている。まるで、壊れ物を扱うように──この上なく大事な物に触れるように。
「直接、触っていい?」
状況からして胸のことだと察したけど、そんな断りもわざわざ言われたことがない。