「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
 珍しくご機嫌でお茶を飲んでいるルーンさんは、長い足を組んで二人の友人の戦いを高みの見物で鑑賞する気満々だ。

「もー!! ルーンさん!! そんなこと、言ってる場合じゃないですっ!! このままだとロッソ邸も、王都にも被害が出てしまいますっ!!」

「あー、そうかもね……シリルは王都の国民への賠償金で、無一文になるかも。どうする? 今度こそ、俺と逃げる?」

「そんなこと言ってる場合ではないですから!! シリル! やめて!! せっかく買って調えたお邸が、壊れちゃう! もうっ、降りて来てー!!」


Fin

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