「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。

06 誤解

「……へー。なんか、心配して損した。幸せそうで、何よりだわ」

 目の前にルーンさんが居たのに、昨夜の出来事を思い返して反芻していた私は慌ててティーカップを取りお茶の飲んだ。

 いけないいけない。初めてのキスだからって、おかしくなり過ぎだわ。

 今日はシリルは仕事へと出かけていて、ルーンさんは自分が言い出した看板の件の責任を感じて私の様子を見にきてくれたらしい。

「あのっ……ルーンさん。結婚するんだからいずれキスをするって、どういうことだと思います?」

「……いや、そういう意味だろ? むしろ、その他にどういう意味だと思ったんだ?」

 微妙な表情になっているルーンさんは、私のよくわからない質問の意図をはかりかねているようだ。

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